スタジオTRIGGERを支える芳垣祐介、初の個展
一枚の設定にも徹底的に調査して情報量を詰め込み、一人のモブキャラクターにもたたずまいを描き、一カットの原画にもキャラクターのドラマを切り取る。キャラクターデザイン、イラストレーション、作画監督、原画と多彩に活躍し、TRIGGER作品において欠くことのできないアニメーター・芳垣祐介(よしがきゆうすけ)。彼にとって初となる今回の原画展では、ペンの筆致のひとつひとつが伝わってくる生の原画のみならず、キャラクターデザイン画やプライベートで描いたスケッチ、絵葉書などを余すところなく展示。彼の豊かなアイデアとアニメーターの「生の線」を楽しんでいただけるものになっているだろう。
開催期間 /11月16日(木)〜28日(火)<入場無料>
会場/SF gallery (東京都中野区中野6丁目21-1)
営業時間:13:00~21:00 [水曜・定休]
主催/TRIGGER Inc.
協力/SF Inc.
※グッズ、イベント情報などは、当該ページ及びSNSで告知いたします。
<芳垣祐介 プロフィール>
1973年11月17日生まれ、神奈川県出身。アニメーターになれば高収入が望めると知り、アニメーション業界を志したという。今石洋之と同じ日にアニメーション制作スタジオGAINAXの入社試験を受け、『新世紀エヴァンゲリオン』で動画デビュー。動画の仕事を1年半経験してGAINAXの原画試験に合格。GAINAXの近所に制作会社があったことから『スレイヤーズNEXT』で原画デビューを果たす。同タイミングで原画デビューを果たした今石洋之とコンビで仕事を受け、画風の幅を広げていく。中でも注目を集めたのは『小さな巨人ミクロマン』第39話、主人公の男の子が河原で草野球をしているところにヒロインの女の子が通りかかるシーン。主人公に声をかけられた彼女が同級生にからかわれるが、大きな声で返事をする、子どもたちの友情を感じさせるシーンだ。子どもたちの活きいきとした描写は彼の実力を感じさせるものだった。『フリクリ』では全話に原画として参加しつつ、今石洋之が絵コンテを担当した第5話では冒頭からサブタイトルまでの原画を担当。銃撃戦からパロディまでスラップスティックなギャグシーンを見事に書き上げている。その後も『天元突破グレンラガン』『Panty & Stocking with Garterbelt』で実力を振るっている。最新の仕事である『リトルウィッチアカデミア』では、劇中のポスターやイラスト、サブキャラクターのデザインなどを担当。
キャラクターのバックグラウンドまでを作り込んだ設定画は作品世界を広げ、深めることに貢献した。また、数百人のモブキャラクターが登場するカットの原画など、膨大な作業量をこなし、作品を見事に彩ったのである。
とにかく調査し、観察し、ひとつの絵にアイデアを込める。ひとつのドラマを切り取り、フレームの外を感じさせる絵を描く。20年来の付き合いのある今石洋之曰く「理想のアニメーター」。
代表作
『フリクリ』原画(2000年/鶴巻和哉監督作品)
『トップをねらえ2!』原画(2004年/鶴巻和哉監督作品)
『天元突破グレンラガン』作画監督、原画(2007年/今石洋之監督作品)
『魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜』キャラクターデザイン、作画監督、作画(2008年/小林治監督作品)
『Panty & Stocking with Garterbelt』各話設定、作画監督、原画(2010年/今石洋之監督作品)
『ブラック★ロックシューター』キャラクターデザイン・総作画監督・小物デザイン、作画監督(2012年/吉岡忍監督作品)
『キルラキル -KILL la KILL-』ゲストキャラクターデザイン、作画監督(共同)、原画(2013年/今石洋之監督作品)
日本アニメ(ーター)見本市 『電光超人グリッドマン』キャラクターデザイン、原画(2015年/雨宮哲監督作品)
『宇宙パトロールルル子』キャラクターデザイン(協同)、総作画監督(協同)(2016年/今石洋之監督作品)
『リトルウィッチアカデミア』デザインワークス、原画(2017年/吉成曜監督作品)
関連記事
『芳垣祐介原画展』開催記念 鶴巻和哉が「芳垣祐介」を語るインタビューシリーズ(後編)